导演:三枝 暁子
さまざまな社会集団や権力が併存し、紛争の解決手段としてしばしば暴力をふるう。より強大な力をもつ幕府が、それらを統合・支配しようとする。日本の中世は殺伐とした時代だ。本書は、千年の命脈を現代にまで保つ京都・西京神人に焦点をあて、生業と祭祀を紐帯に、苛烈な世界をたくましく生き抜いた民衆の姿を描く。 <編集部より> 中世の民衆はどのように生きていたのか。「ほとんど分からない」ということを、歴史が好きな方であればご存じでしょう。史料にあらわれるのは、書けて残せる一握りが必要に応じて記録した、人びとの断片的な情報ばかりです。共同体の実態や盛衰が分かる、描ける、というのは例外中の例外なのです。 本書がとりあげる「西京神人」はそんな「例外中の例外」です。 京都・北野天満宮と深いつながりを保ち、非常に重要な生業であった麹業を営む(なぜ麹が重要だったのかは、ぜひ本書で...(展开全部)